主催者の紹介

主催者

林 依利子

主な活動

  • 弁護士として、主に国際紛争解決に携わっています。
  • 国際調停センターの事務局長として、対話による紛争解決(調停/mediation)の普及促進活動に携わっています。
  • 上場企業、ベンチャー企業の社外役員として、経営の助言を行っています。
  • 地域の商工会議所 にて経営者個人の人生設計に関する講義などを行っています。

主催者の想い

“between us”
-私たちの「間」-
ある夜、愛犬と散歩をしながら、自分と犬の細長い影が動くのを眺めていました。そのとき、ふと「between us」という言葉が思い浮かびました。

「個」として生きる「私」と「対象」の「間」には、常に何らかのスペースがあり、その距離は、近づいたり、遠ざかったりしながら、絶えず変化していきます。

それは、物理的なスペースのみならず、心のスペースも含みます。

親密な関係になればなるほど、「間」にあるスペースが小さくなり、一体となる喜びを感じることもありますが、境界を越えた介入は、心と身体の暴力に変わることもあります。-個の尊重と信頼関係-、これこそが、「人」と「人」との「間」、すなわち「スペース」の変数になると思います。

また、「個」として生きる私たちは、自分の顔や背中を肉眼で見ることはけっしてできません。同じく、「主観」を持つ私たちが、自分の思考や心を直接知ることも実は非常に難しいと感じることはないでしょうか。そんな私たちの思考や心を、鏡やレンズのように、もっともよく映し出してくれるのは、他でもなく、自分と向き合う「他者」ではないかと思います。

20世紀の哲学者ハンナ・アーレントは、公共空間においては、人と人との「間」(in-between)があってこそ、個々人の複数性(個性)が発揮されるスペースが生まれ、また、そのスペースにある事物によってこそ、人々を繋げる共通の関心が介在され、そこから生まれる活動(アクション)が、人間(「人」「間」)の条件であるとしました。

「私」と「あなた」の二者が、最も心地よく感じられる距離で向かい合い、相互尊重と信頼のもとでDialogue(対話)を行うことにより、自他の理解が深まり、新たなアクションを生み、一人ひとりの充実した生の可能性を開くとともに、このような大切な者との「間」のDialogueが、三者、五者、十者、と、より多くの「間」に拡がり、世界中の「個」が尊重され、幸せに暮らせるゆたかな公共世界をつくることにつながると信じています。